師ヴィザの言葉に倣ったヒュースのお悩み相談室によって、若村と修の違いがわかってきた。
修との明確な違いは時間だった。
修は「今回の遠征に行く」という明確な目標とその期限をもっており、その中で言ってしまえば“追い込まれて強制的に”アイデアマンとなり独自の強みを手に入れていたのだ。
かたや若村は目標はあっても期限を定めていないので、反省や改善と向き合う機会を無意識に先送りしていたと言える。
その間に若村は他人の「答え」を集めていたのだが、言ってしまえばそれだけであり、自分の経験にはなっていない。
そうしているうちに競争相手は“普通の鍛錬”を積んで強くなっているが、若村はそういった現実から目を背け、ただの可能性でしかないそれを「どこかにきっとある…!強くなるために秘密が…!」と探し続けていたのだ。
つまり若村はずっと“足踏み”していたのだと指摘された。
修のように“自分にないものを持っている者たち”と渡り合える武器が、自分を変えてくれる何かが欲しいと思い、修の強さ・修との違いを知りたかった若村。
だが判ったのは若村が同じように目標と期限を決めてみても、ただ表面を真似るだけで同じようにはいかないということ。
それでは若村が強くなる方法がないのだろうか…。
するとヒュースは「香取隊を抜ければいい」と言ったのだった!
本記事では第247話「若村麓郎③」の内容をまとめていく。
ワールドトリガー247話の見どころネタバレ
① 若村・修・香取の戦闘能力
「問題の根幹は香取隊にある」というヒュース。
ヒュースはまず“個人戦”での戦闘能力を段階で表した図を描いた。
最上段には太刀川。
その下のA級には香取が置かれている。
若村はB(中)で、修はその下のB(下)だ。
次は“チーム戦”での能力。
修がA級に昇段する。
A級に置かれていた香取は、若村の意見によって1つ下のB(上)となる。
染井のオペの力も大きいからだ。
② 若村はC級レベル!?
それが概ねの若村の認識だが、ヒュースから1つ間違いを指摘される。
それは若村がB(中)ではなくなんとC級だということだった。
この遠征選抜試験に臨むにあたって、チームメイトの今期の試合を全部見てきたというヒュース。
その上でヒュースが感じたのは、若村はチーム戦で自分や味方が取るべき動きを考えられる段階にいないということだった。
③ 香取が強すぎるのが原因?
そして若村の問題の根幹が、香取が強すぎることだとヒュースは言う。
なぜなら香取隊の得点の殆どは香取であり、エースとしては申し分ないのだが、若村にしてみればその力でB級上位まで来て“しまった”と言えるからだ。
本来ならばチーム全員で1段ずつ登るはずの壁を、香取の力で一気に登ってしまったのだ。
ぶつかるはずの壁にぶつからないまま…チーム戦の基礎を学ぶ機会を持たないまま…。
言われて改めて若村はランク戦での自分の立ち振る舞いを振り返り、自分が思っていたよりも弱かったのかと自覚した。
若村は足元から崩れ去るような感覚に陥る…。
④ 香取隊を抜けるべき!?
ヒュース曰く若村のように“足踏み”に陥る人間は、本人の認識より高すぎる壁に挑んでいる場合が多いらしい。
先の図で言えば、若村はB(中)からB(上)に挑んでいたつもりだったが実際はCからB(上)という遥かにレベル違いな問題に挑んでいたわけで、まともな答えを出せるわけがないのだ。
この問題は己を知り、適正なレベルに挑戦することで解決するので、だからヒュースは香取隊を抜けることが、若村が強くなる1つの手段であると言ったのである。
香取の元を離れ、新たな仲間を募って一番下から順にステップを踏んで行く──。
⑤ 若村の恐怖
しかしそこで若村には新たな不安が生まれる。
新部隊を作り1から出直したとして、そもそも一番下の段すら登る力がなかったら…。
するとヒュースはその1段を登るための要素をその中でさらに刻んで、自分が登れる小さいステップを作るのだと言った。
その行動が「努力」と呼ぶものであると。
その言葉はさらに若村の恐怖を引き出した。
若村は、そうして1段1段細かく刻むステップを作っても1つの壁も越えられなかったら…自分は本物の無能なのではないのかと知ってしまうのが何より怖かったのだ。
⑥ 小さな“できた”を刻むこと
するとヒュースが「自転車に乗れるか?」と問いかけた。
自転車に乗れることは「当たり前」と思いがちだが、ヒュースは乗れない。
何が言いたいのかというと、若村も元々乗れなかった自転車が乗れるようになったということ。
つまり若村も、元々できなかったことでも訓練次第でできるようになるということである。
その“できるようになったという無数の事実”を忘れるなとヒュース。
自分にできる高さになるまで刻んでいけば必ず強くなれるし、それが自信に変わるのだとヒュースは言った。
そうして話を終えた夜、若村は今何を思っているのだろうか──。
ワールドトリガー247話の名言
ヒュース
「『できるようになった』という無数の事実を忘れるな。そして自分に『できる』高さになるまで1段1段を刻んでいけば、必ず今より強くなれる。そしてそれがおまえの自信に変わるんだ」
最新刊は27巻(2024年5月2日発売)
『ワールドトリガー』の最新刊は27巻。
27巻では遠征選抜第1試験4日目~5日目朝の様子が描かれている。
大きな変化があった戦闘シミュ3日目の結果。
そして鳩原未来失踪当時の二宮隊や影浦隊の様子が描かれる注目の1冊だ。
ワールドトリガーネタバレ247話のまとめ
くふぅ…今話もすごすぎる…。
もはや何も言えん。
とりあえず皆読んで欲しい。
特に自分の実力を思い知りつつも認めてしまうのが恐くて向き合えずにいるぼくのような社会人は必見だ。
ここ数話が良くも悪くも突き刺さるが、ヒュースが“自転車の乗れるようになった”というほどの小さな経験でも“できるようになった事実”であると言ってくれているので、そうしたことを意識しながら何だか今からでも一からしっかり積み重ねていけそうな気がする。
またワートリは“もっていない弱者が努力で戦っていく”という修のストーリーを中心に見ていたが、それをこう振り返った上で修の動きを読み直すとまた違った楽しみ方ができるので是非読み返そう。
とにかく色々考えさせられるヒュースのお悩み相談室であった。
これを踏まえ若村は何を思うのか。
最後のヒュースのアドバイスによって前向きな心情になっているとは思うのだが、「目標の期限を設ける」「香取隊を抜ける」といった選択肢が挙げられた中で、一体どんな決断をするのか次回248話を楽しみにしていよう。
転勤で全国を渡り歩く流浪のマンガ好き。
現在は北海道在住で金カム等の聖地巡礼を満喫中。
自分用のメモを発展させブログにした形でして、端的にまとめるためにあえて感情を省いた文章にしています。
基本的には自分が好きな漫画だけになりますが、作品を知りたい・内容をおさらいしたい・より漫画を楽しみたい等のお役に立てればと思っています。