ロウにスケートを続けてもらわなきゃ気持ちの置き所がないハルナ。
そんなハルナと自分が幸せに向けて解き放たれるために、あの日にスケート人生をぶち壊したロウ。
互いの本音をようやくぶつけ合うもまだ蟠りは解けず。
その頃、狼之神の20連覇を阻止し新たなとなった鮫王高校の面々は、狼之神の凄さを実感すると同時に今度は自分たちが連覇の覇道を歩むべく目を輝かせていた。
ところがその時、聞きなれない不気味な警告音が教室中の携帯から発せられたと同時に、空気がズン!!と重く揺れた。
時は2011年3月11日14時46分の出来事である―。
本記事では第13話「奇跡の防具」の内容をまとめていく。
『スピナマラダ!』との読み比べもオススメ
また待望のキャスト発表があった実写映画『ゴールデンカムイ』に向けて、原作『ゴールデンカムイ』の読み直しもこの機会に是非!
『ドッグスレッド』13話の見どころネタバレ
①ロウはやはりアイスホッケー
北海道苫小牧、王子製紙スケートセンター。
ロウが祖父の指導でアイスホッケーを練習していた。
祖父が昔のツテでスケート場の清掃員として就職したため、製氷前の30分だけ使わせてもらっているのだ。
②ロウへの期待
ロウは今日「カッピング」を知る。
カッピングはドリブルやレシーブの際にパックが逃げないようブレードを傾けて被せることで、パック扱いがおぼつかなかったロウもこれでパクっと落ち着いてパックを捉えることが出来るようになりそうだ。
スケーティング技術は12歳くらいまでの練習ですべてが決まってしまうと言われているらしいが、ロウはそれに関しては誰にも負けない基礎を持っている。
そのため祖父には、そのロウのハンドリング(スティックでパックを扱う技術)が人並みになったら一体どんな選手になるのか…というワクワクが生まれていた。
③奇跡の防具は臭い!?
ロウが現在履いているホッケー靴は「グラフ」という“ホッケー靴のベンツ”と言われているメーカーのもので、祖父の知り合いのおさがり(状態良好)らしい。
北陵中戦で粉砕してしまったスケート靴の代わりに、祖父が調達してくれたのだ。
アイスホッケー中心の人生を過ごしてきた祖父にとって、孫がアイスホッケーをやるというだけでも嬉しいのである。
ロウが手の臭さを気にするため「グローブも臭くないの探してやるから」と言うが、ロウは「オリンピックで使われたグローブが残ってるなんて奇跡。強くなれそうだからこれを使わせてほしい」と爽やかに気を遣った。
だがやはり臭く、手のにおいが気になってしまう。
そんな時、スケート場が地震で揺れた。
④響き渡る大津波警報
青森県八戸市の鮫王高校の生徒たちは学校の中庭に避難していた。
大きな爆発音と強い揺れが繰り返し起こる異常事態に緊張感が張り詰める。
揺れが収まらないうちの移動は危険かもしれないと教師陣が考え、しばらくここで避難していようと決めかけた時、「大津波警報発令」の放送が響いた。
⑤五戸くん学校を飛び出る
五戸くんはようやく父親との電話が繋がる。
互いの無事を確認したものの、父と母は朝から青森駅の方に行っていたということを聞いて、五戸くんは“祖母がひとりで家にいる”ということに気づく。
父は「絶対に学校から動くな!!」と息子(五戸くん)に厳しく言いつけるが、それよりも五戸くんには大津波警報発令の放送の方が重く響いていた。
だって五戸家の前が海だから。
父たちが急いで帰っていると言っても、彼らは帰るまで1時間以上はかかる距離にいるのだ。
五戸くんは居ても立っても居られず学校を飛び出し、急いで家に向かった。
⑥無情な黒い海
後の証言によれば、校舎の上から海が一面真っ黒になるのが見えたという。
その見たこともない海の姿を見て…すべてを吞み込んでいく黒い海が自分の家をも喰おうとしている光景を見て五戸くんは青ざめる。
家に駆けこんだのはその黒い海とほぼ同時であった。
正確に言えば玄関に入ったのは五戸くんの方が先だが、階段で為すすべなく座っていた足の悪い祖母を見つけた時にはすでに五戸くんの腰まで水が来ていた。
そしてギリギリ祖母を抱き上げるも、黒い水はあっという間に五戸くんと祖母を呑み込んでいった…。
⑦五戸くんギリギリ生きる
が、五戸くんは何とか階段の手すりに掴まり階上へ逃れた。
ただし大切なアイスホッケーの防具は守れず、無情に流されていく様子を横目で見るしかなかった。
そうして唐突な非日常が一瞬にして街の姿を変えた様子を、ロウたちはテレビで目の当たりにし言葉を失っていた。
⑧桐渕の言葉に応えられない
2週間後、避難所生活をしている五戸くんのもとに桐渕がやってきた。
桐渕は「みんなの家は無事だったみたい」などの近況報告を行う。
リンクは被害があってしばらく使えないらしいが、アイスホッケー部の皆は集まって陸トレを始めようと話しているらしい。
だが五戸くんには、こんな状況でアイスホッケーをすることが考えられなかった。
そもそもこの世にアイスホッケーが必要なのかとさえ思う。
自衛隊や消防士になった方が役に立つだろうと。
すると桐渕は、震災前にやっていたことを取り戻すのが大事ではないかと訴えた。
1日中この避難所で寝転がっている気なのか。立ち上がって進まなければ!
しかし防具を失った五戸くんは、その桐渕の前向きな言葉に応えることが出来なかった。
⑨神様からのメッセージ
後日、桐渕ら仲間たちの捜索により、なんと五戸くんの防具が発見された。
汚れてはいたが、あの時流された防具たちが全部五戸くんのもとに戻ってきたのだ。
その奇跡を受け五戸くんは「アイスホッケーをまだ続けろ」ってことなのかなあと笑った。
『ドッグスレッド』13話の名言
白川朗
「オリンピックで使われた40年前のグローブが残ってるなんて奇跡じゃん。なんか強くなれる気がするからこれを使わせてほしい」
桐渕悠人
「震災前にやってらったごど取り戻すのが大事だべ!!それがアイスホッケーなんかでも!!」
桐渕悠人
「立ぢ上がって前さ進まねば!!」
五戸矢太郎
「アイスホッケー…「まだ続げれ」ってごどなのがなぁ?」
『ドッグスレッド』13話のあおり文と予告
【あおり文】
超回復の物語。
【予告】
次号、療養休載。超回復は1号12月7日発売です。
『ドッグスレッド』ネタバレ13話のまとめ
今回は鮫王高校の五戸くんを主役に東日本大震災の様子が描かれた。
前回の緊急地震速報もそうだったが、緊迫感や津波の表現、五戸くんの気持ち、テレビでウソのような光景を見守るロウたちの姿まで非常にリアルであったと思う。
胸を締め付けられるほどリアルで絶望的な描写ではあったものの、最後には前向きな展開で終えられたところがまさに超回復コミックであると同時に、実際に同じように立ち上がり前に進み始めた被災者の方々の強さを感じさせられた。
もちろんこれは五戸くんの経験談に過ぎず、物語として前向きなだけで終わらせてはいけない忘れてはいけない出来事ではあるが、この後の展開も含めて野田先生なりの超回復劇が楽しみだ。
そして五戸くんや桐渕たち鮫王の魅力が明らかとなったので彼らの更なる活躍に期待したい。
震災から復活の鮫王と敗北から復活の狼之神…両校の土台が描かれ、いよいよこれから物語本編となりそうだ。
転勤で全国を渡り歩く流浪のマンガ好き。
現在は北海道在住で金カム等の聖地巡礼を満喫中。
自分用のメモを発展させブログにした形でして、端的にまとめるためにあえて感情を省いた文章にしています。
基本的には自分が好きな漫画だけになりますが、作品を知りたい・内容をおさらいしたい・より漫画を楽しみたい等のお役に立てればと思っています。