閉鎖環境試験5日目が終了。
今日は2日間行われる特殊戦闘シミュレーション演習の初日だったため、それを含んだ順位をもって各チーム今日の反省と明日の方針を話し合う。
特殊戦闘シミュの成績が良かったチームは明日、その対策よりも課題重視で動くようだ。
一方でその課題の中にはやや小難しい問題も含まれている様子。
だが若村11番隊ではヒュースがその設問を難なく理解していた。
他隊が手間取りそうな課題を軽く片づけられそうということは、つまりは若村隊最下位脱出のチャンス!?
そこで若村隊の面々は「やはり玉狛支部はすごい」と考える。
だがヒュース曰く訓練の環境は本部の方が良く、「才能」と呼べるのが千佳くらいで修はむしろ「下の中」であると言う。
そして差を感じるなら単純に「実力の問題」なのだと─。
環境でも才能でもなく「実力」ってなんだ?
一体修とは何が違うのか、若村はヒュースに問う─!
本記事では第245話「若村麓郎」の内容をまとめていく。
ワールドトリガー245話の見どころネタバレ
① こっち側のはずなのに?
自分と修の違いは何なのかという疑問をヒュースに投げかけた若村。
一瞬言い淀むが、ここに自分を変えるカギがあると感じてハッキリとヒュースに疑問をぶつけた。
トリオン量は修より若村の方があるので“個人の才能”という点で言えば若村の方が上だろう。
しかし修にはチームを勝たせる力があると感じ、若村はそれが何なのかが知りたかった。
なぜそこまで修との違いを気にするかと言うと、修が自分と同類だと思っていたからだ。
香取のようなロクに訓練せずとも出来ちゃうあっち側ではなく、地道に訓練するタイプのこっち側のはず。
なのに修が活躍する理由は何なのだろうか。
② 犬飼との訓練を分析
そこでヒュースは若村の訓練法について問うた。
若村は犬飼を師匠としているわけだが、具体的には週2で二宮隊の訓練室に通い、ランク戦の感想などを話しながら2時間ほど射撃の基本を教わっているという。
教わると言っても訓練自体は「自由にやれ」という方針で、犬飼は時々手直しする程度。
半年ちょっと前くらいから師弟関係となり、この間に射撃の腕と上位陣の知識を得たと若村は言った。
そこまで聞いて、ヒュースは若村と修の違いを把握したようだ。
が、以下3点の理由によりそれを話すことをためらっていた。
1、2人の違いを説明しても若村にはおそらく得るものがない
2、若村が精神的にダメージを負って遠征選抜試験に影響が出る恐れがある
3、若村と犬飼のこれまでの訓練を無駄にする可能性がある
どれほどキツイことを言おうとしているのかという感じだが、この先の説明をするためにヒュースはまず犬飼に話を通すことにする。
③ 犬飼の訓練の意味
律儀に犬飼に話を通そうとしたのは、ヒュースもかつて同じような訓練を受けたことがあるため、犬飼の意図に気づいたからだ。
犬飼の意図とは、通常訓練と同時に会話などをすることで、意識を分配することに慣れさせること。
目の前の敵を狙いつつ敵全体の動きを追えるようになるなど、中距離で戦況をコントロールするガンナーに必要な能力を培う訓練だったということである。
④ 犬飼の真意
だがその意図を半年間も若村に“伝えなかった”ことこそに犬飼の真意があった。
ヒュースが犬飼に話を通そうとしたのは、その理由を計りかねていたからである。
犬飼が訓練の意図を若村に伝えなかったのは、自分で気づいてほしかったからだ。
今の若村に必要なのは“自分で考えること”だと犬飼は言う。
確かに日頃のチームでの活動では香取の考えに文句は言えど、意見を求められると言い返せず途端に口をつぐんでしまうという姿が見受けられた。
この遠征選抜試験中も現在改善傾向はあるが、自分の考えが出せずに黙り込み、チームメイトに助けられるという場面が多かった。
犬飼が感じるに、若村は色んな人にアドバイスを求めるなど向上心はあるが、それを噛み砕いて理解することができない。
そうした欠点の克服のために、意図を伝えずにずっと同じ訓練を続けていたのだ。
訓練の意図を考える…
訓練に工夫を取り入れる…
別の訓練を提案する…
など何か若村が自分で考えて動き出すことを期待して─。
だが若村は何も疑問を持たないまま半年間同じ訓練を繰り返していた。
⑤ 犬飼の思い
「自分で考えろ」と言ってしまうのは簡単だ。
しかし若村の場合は性格的に“その問いに込められた正解”を考えてしまうらしい。
確かにこの遠征選抜試験でも「正解」を気にして考え込んでしまう場面があった。
そうした若村の性格を考慮しつつの訓練だったのだが、遠征選抜試験が終わったらネタばらしするつもりだったそう。
ただしドラフトでヒュースを選んだ時に、若村の“自分で考えた”感も感じていた。
だから自分で選んだ結果を受け止める意味でも、ヒュースから伝えてもらって構わないと犬飼は言った。
ヒュースとの電話を切った犬飼に、影浦が「師匠なんだからわかるように教えてやれ」と意見する。
だが独り立ちできるようにするのが師匠だと犬飼は言葉を返した。
「戦うときは独りなんだから」と。
⑥ 変わろうとする若村
ということで犬飼の意図をヒュースがきっちり若村に伝えることに。
若村は何も気づかなかったこと、つまり犬飼の時間を半年も無駄にしてしまったことに当然ながらショックを受けた。
ヒュースは若村の精神を懸念してここで話を終わりにしようとしたが、意外にも若村は退かなかった。
犬飼に無駄な時間を使わせた分をここで取り返すのだと意気込み、ヒュースからのさらなる指摘を受け入れる覚悟を見せた。
ワールドトリガー245話の名言
犬飼澄晴
「おれがいなくなったらどうすんの」
最新刊は27巻(2024年5月2日発売)
『ワールドトリガー』の最新刊は27巻。
27巻では遠征選抜第1試験4日目~5日目朝の様子が描かれている。
大きな変化があった戦闘シミュ3日目の結果。
そして鳩原未来失踪当時の二宮隊や影浦隊の様子が描かれる注目の1冊だ。
ワールドトリガーネタバレ245話のまとめ
今回もかなり深い内容だった。
というか自分も若村タイプなのでかなり胸に刺さった…植物の例えとか分かりやすすぎて…。
同じ心情の読者も多いはずだ。
それほど“自分で気づき、自分で考える”ということは難しいと思う。
それを当たり前のようにこなしている修たちボーダー隊員たちを描いてきたところで、その難しさを改めて言語化しているのがすごい。
ワールドトリガーを読んでいるとしっかりとした考えを持ったボーダー隊員たちに感心し憧れを抱く。
そうした隊員たちに比べて劣っていると思われた若村の魅力は、親近感だったのだ。
だからこそ兆しを見せ始めている若村の変化が、自分の変化にも繋がるのではないかと期待させられるような今回のエピソード。
突き付けられたキツイ言葉に対し、それを受け止める覚悟を見せた若村がどう噛み砕いてみせるのか。
その変化への期待が果たして若村を臨時隊長に選んだ上層部の意図なのか、それともまた別の意図が明かされるのか。
次回246話の若村11番隊の動向と今後のさらなる進化を楽しみにしていたい。
転勤で全国を渡り歩く流浪のマンガ好き。
現在は北海道在住で金カム等の聖地巡礼を満喫中。
自分用のメモを発展させブログにした形でして、端的にまとめるためにあえて感情を省いた文章にしています。
基本的には自分が好きな漫画だけになりますが、作品を知りたい・内容をおさらいしたい・より漫画を楽しみたい等のお役に立てればと思っています。