宮森中の事情を聞いたロウはフィギュアの滑りを駆使しながら反撃を開始。
残念ながらパック・ホールディングしてしまったりとなかなかうまくはいかないが、その滑りは会場の女子達を魅了し、狼之神高校監督・二瓶利光の興味を惹いていた。
しかし試合に関しては、宮森中には“人数差”という絶対的に不利な条件があった。
試合をする人数に差はないのだが(プレイヤー5名+GK1名)、消耗の激しいアイスホッケーには任意のタイミングで選手交代ができる「チェンジ」というルールがあり、そこに差が出る。
宮森中は北陵中の半分しか人数がいない…つまりベンチで休める時間が北陵の半分しかないのだ。
宮森中は肉体的にも精神的にも限界がきていた。
そんな中、祖父に「北陵のゴール前に向けてパックを叩きなさい。それだけでいいから」と言われたロウのスケーティングが再び会場を魅了する。
「全ての挫折を祝福に変えるアイスホッケー超回復コミック!!」
本記事では第5話「小さな火種」の内容をまとめていく。
『スピナマラダ!』との読み比べもオススメ
また待望のキャスト発表があった実写映画『ゴールデンカムイ』に向けて、原作『ゴールデンカムイ』の読み直しもこの機会に是非!
『ドッグスレッド』5話の見どころネタバレ
①ロウ再び反則
富士がロウを止めようとするが、ブレードの向きが左右真逆だったため動きが読めず戸惑う。
しかしロウを止められなくとも、パックが置き去りになっているので余裕で回収。
土肥の働きで再びロウのところにパックが行くが、空振りしてしかもスティックが慶一の顔面にヒットしてしまった。
これはハイ・スティッキングという反則。
スティックを肩より高く上げて相手に触れたら反則となるのだ。
ロウは2分間の退場となってしまった。
②スプレッド・イーグル
試合を見ていた源間浩一が「あいつ狂犬王子だ」と気づき、狼之神がややざわつく。
また、土肥曰く「ロウのガニ股のような動きはまるでNHL(ナショナルホッケーリーグ/北米のプロアイスホッケーリーグ)選手のクロスビー」。
などとロウの滑りに会場中がざわついていた。
しかしハルナはその滑りが“ただのスプレッド・イーグル”だと知っているため、逆に「フィギュアの選手だったら誰でもできる技なのに」という意味で驚く。
スプレッド・イーグルとは両足のつま先を大きく開き両足で横に滑る技術のこと。
土肥のいう“クロスビー選手”はこの技でNHLを席巻したそう。
ちなみに世界のトップ選手たちがスプレッド・イーグルを本格的に練習メニューに取り入れだすのは13年後のことらしい。
③ただ早く終わって欲しい
祖父から「パックが来たらブレードを直角にして受けなさい」とアドバイスを受けロウが試合に復帰。
しかし宮森中が1点も入れられないまま第1ピリオドが終わってしまった。
<第1ピリオド 北陵15:宮森0>
15分休憩の後に第2ピリオドが開始するが、富士と対峙した小杉は、富士がまた上達していることに気づいてしまう。
北陵中に行った富士と宮森中に残った自分の差…。
それは小杉を「俺の3年間て…」と卑屈にさせた。
が、小杉はそれよりも「今はただ早く終わって欲しい」と感じていた。
④土肥があの日の言葉を謝罪
第2ピリオドが終了し、またしても宮森中は無得点。
<第2ピリオド 北陵18:宮森0>
客席ももはやヤジすらなく静まり返っていた。
土肥は泣きながら小杉に謝罪する。
宮森の廃校が決まった時に、アイスホッケー部がある他の学校への選択肢もある中で「間違いなく強くなれる北陵ならいいけど、そこまでするくらいならアイスホッケーはもういいかな…」と言ってしまったことだ。
続々と部員が減り、北陵中にスカウトされた小杉が抜けたら宮森中アイスホッケー部が廃部になってしまう、という状況で土肥はこう言ってアイスホッケーを辞める可能性を示唆。
この言葉を受け小杉は宮森に残ることを選んだ。(3話)
その時は土肥たちと一緒に北陵中を見返そうと思った小杉だが、今は富士の姿を見てその選択を完全に後悔してしまっていることが分かる。
「僕は卑怯な言葉でスギちんを引き留めた」という土肥に、小杉は「今さらどうだっていいよ」と無気力に答えた。
⑤ロウの檄
するとその会話を聞いていたロウが、「北陵に一矢報いることが出来たらお前らの時間は無駄にならんのだよな?」と問うた。
自分を必死に誘った土肥たちの姿を思い出し、「アイスホッケーが大好きでいられるんだよな?」と問うた。
そして「息が止まるまで一緒に走ろう」と伝えた。
最後の第3ピリオド目、宮森中アイスホッケー部最後の20分間が始まる。
⑥慶一との賭けと二瓶の助言
ロウは北陵メンバーに「これだけ点差がついているからといって絶対に手を抜くな」と忠告。
お情けで点を取るのは美しくないからだ。
ついでに慶一の提案で、あのリンクの使用権を賭けることになった。
そうして第3ピリオド開始を迎えるが、リンクに戻る時、二瓶がさりげなくロウに「パックは蹴っても反則にならない」と伝えていた。
⑦スケーティングが重要!?
宮森中は助っ人メンバーが息絶えており、すでに正式部員+ロウの1ラインのみで戦っていた。
しかもロウはスティックの使い方も知らない素人。
狼之神からは「スケーティングはすごいがフィギュアじゃ畑違いすぎて…」と憐れまれていた。
しかし二瓶は北米ではプロチームがフィギュアの選手をスケーティングコーチに招いているほどアイスホッケーはスケーティングで決まる、と真剣にロウの戦いを見ていた。
⑧土肥の奮闘
ロウともう1人、死ぬ気で奮闘している人物がいた。
土肥である。
すでに息はこれ以上ないほど荒く、汗も鼻水も垂れ流している状態だが、土肥は足を止める仲間達を必死に鼓舞し走り続けていた。
そんな宮森に向けて「頑張れ宮森!!」という応援が沸く。
『ドッグスレッド』5話の名言
白川朗
「よし…じゃあ息が止まるまで一緒に走ろう」
二瓶利光
「アイスホッケーというのはスケーティングで決まるからだ」
土肥宣人
「いま走らなくて僕ら…いつ走る!!」
『ドッグスレッド』5話のあおり文と予告
【あおり文】
自分のための努力が、誰かの心に火を灯す。
【予告】
次回、頑張れ、頑張れ宮森!!
『ドッグスレッド』ネタバレ5話のまとめ
まだ5話だが屈指の神回と言っていいほどの激熱回だった。
小杉の気持ちも土肥の気持ちも伝わってくるからこそ現状がつらいし悲しい。
もしかしたらこの試合が終わったら、宮森メンバーは皆アイスホッケーを辞めてバラバラになってしまうのではないかと想像してしまうほど心身共にキツすぎる試合だ。
だが今、奇跡的にロウという男がここにいた。
騙されるように連れてこられつつも前向きに取り組み、こんなキツイ内容であっても(知り合ったばかりの)仲間の気持ちに寄り添って「じゃあ息が止まるまで一緒に走ろう」と言える人間はそうはいない。
ロウの前向きな性格に加え、何より“アイスホッケーを好きなままでいてほしい”という気持ちを感じることができる。
『ドッグスレッド』主人公の魅力が大いに伝わった1話であった。
また、土肥も凄い男である。
今のところ小杉たちは疲労が上回りロウや土肥の言葉はあまり響いていなそうだが、罵倒や嘲笑から応援へと変わった観客の声が届けば小杉の目にも再び光が宿るだろうか…。
転勤で全国を渡り歩く流浪のマンガ好き。
現在は北海道在住で金カム等の聖地巡礼を満喫中。
自分用のメモを発展させブログにした形でして、端的にまとめるためにあえて感情を省いた文章にしています。
基本的には自分が好きな漫画だけになりますが、作品を知りたい・内容をおさらいしたい・より漫画を楽しみたい等のお役に立てればと思っています。