病田色(やまだしき)は“帝都八忍”の1人であり、“帝都八忍”の秘書的役割も担う有能な女性である。
第三章「情愛大暴葬」の忍者側の主役と言える人物で、セクシーなビジュアルに控えめな人柄ながらも強く美しい内面を持つ魅力的な女性として読者の心を鷲掴みにした。
それではどんな人物なのか、本記事では病田色についてまとめていく。
『忍者と極道』の概要
『忍者と極道』は2020年1月20日より連載が開始された近藤信輔によるアクション漫画。
講談社が運営する漫画アプリ/ウェブコミック配信サイト「コミックDAYS」および「マガポケ」にて絶賛連載中であり、濃密なストーリーが迫力のコマと独特なセリフ回しによって軽妙に展開されていることで人気上昇中の作品だ。
ストーリーは裏社会で悪事をかます極道とそれを誅し裏から民を守る忍者の長きに渡る因縁の物語ではあるが、本質は何も知らずに知り合い友情を深めていく2人の主人公が、実はそれぞれ忍者と極道であったというところにある。
忍者と極道の因縁を通して見える2人の感情や関係性に注目だ。
単行本は講談社〈モーニングKC〉から最新12巻まで刊行されている。（2023年10月11日現在）
忍者と極道：病田色(やまだしき)の特徴とプロフィール
病田色(やまだしき)は“帝都八忍”の1人で、初登場は第7話。
色は目元を前髪で隠し、左側だけワンポイントで胸元まで伸ばしている黒髪ショートの女性だ。
背が高くスタイル抜群で、普段はビジネススーツに黒タイツ、忍装束はフェイスベールと露出の多いドレスをセクシーに着こなしている。
PCの知識は帝都八忍の中で2番目であり(1番は雄鷹斗女)、作中では璃刃壊左が遺したカメラ映像の解析も担当。
色はそうした帝都八忍の事務仕事を一手に引き受けている超絶有能秘書でもある。
そのため他の忍者達とは違い表の顔は持たず、平時は“烏合の巣”にて仕事を行っており、激務の合間に乙女ロードでお買い物したり、日本青年館で観劇を楽しんだりしている。
1992年3月3日生まれの28歳。
身長は172㎝で、体重は聞いた瞬間意識を失うようだ。
好きなものはヒポポタマスマイク、よしながふみ、日本青年館、忍者。
忍者と極道：病田色(やまだしき)の人柄・性格
色は一人称を「私」とし、基本的に誰にでもどんな時でも敬語を使う慎ましやかな人物。
穏やかで声を荒げることはないが、感情は豊かである。
人生訓は「人生は諦め」。
色は幼い頃からあらゆることを諦めて生きてきた。
家が貧乏で皆持っているおもちゃを買ってもらえなかったこと…初恋の人が親友と付き合ったこと…大好きだった両親が極道の抗争に巻き込まれて死んだこと…。
そして色は両親の死をきっかけに忍者となったのだが、後述の特殊体質を得るための荒行によって顔が酷く爛れてしまい、堅気の生活も恋も全て諦めた。
しかし色の「諦め」は、困難に抗わずに受け流すという意味がある。
大切なのは心折れぬことであり、今を生き、少しずつ前へ進むこと。
そうした前向きに生きる美しい強さが色にはあるのだ。
そしてその諦めの人生を肯定してくれたのが忍者だった。
忍者との関係性
色は28歳で忍者は15歳。
色は忍者のことを「忍者様」と呼び、忍者からは「色姐」と呼ばれ互いに慕っており、外で会った際には「近所のお姉さん」という体で通している。
また一回り以上の年の差があるが、色は忍者に“真剣恋”している。
きっかけは約10年前、忍者に爛れた素顔を見られた時のこと。
色の爛れ顔はうっかり見た通行人が足を止めて青ざめるほどに醜悪なのだが、忍者は初めて見た時、怖がるどころか「綺麗」と言いキスをしたのだ。
それは5歳児にしては早熟過ぎな優しさではあったが、その優しさが自身の諦めの人生を肯定してくれたようで、色は救われた気がした。
以来10年近く色は密かに忍者のことを想っている。
ちなみに忍者は色を実姉のように慕っているが、それ以上の想いがあったことが第三章「情愛大暴葬」にて発覚する。
忍者と極道：病田色(やまだしき)の強さ
色の強さは後に“破壊の八極道”ガムテから「今まで殺した中で一番強かった」と評されている。
特殊体質
色は本来特殊な体質は持っていなかったのだが、璃刃壊左のもと壮絶な荒行(多量の劇物摂取)を行い、下記の『睡掌髑路』を出せる特殊な体質となった。
ただしその代償として顔の約半分が酷く爛れており、それを隠すように前髪で覆っている。
その顔はたまたま見た通行人が青ざめ恐怖するほど醜悪であるが、苦難の思い出であると同時に上記の忍者に関する幸福の思い出にもなっている。
技
色は『睡掌髑路』の使い手。
『睡掌髑路』は「手の汗腺から香を出して『暗刃』で飛ばし、嗅いだ者を“最も幸福な夢”へと誘う」というものであり、嗅いだ相手はどんな状況になっても幸福な夢を見ながら2晩は目を覚まさない。
それは“息を止めて吸い込まなければ大丈夫”という生易しいものではなく、粘膜からも効力が発揮されるため、初見での対応はほぼ不可能だ。
そのため陽日の忍手暗刃は惨蔵に「超絶無敵」と評されていたが、色の忍手暗刃は忍者に「平和な無敵」と言われている。
ちなみに香は“甘い香り”がするようだ。
また「全体液を圧縮して香として放ち、生命と引き換えに敵を即死らせる」という強力な奥の手もある。
忍者と極道：病田色(やまだしき)の活躍
第三章「情愛大暴葬」
忍者と手を繋ぐ
忍者と極道が一緒にいるところに遭遇。
色は忍者に素敵な友達ができたことを喜ぶ。
そして極道と話していた時に“笑った”かもしれないと忍者が話すと、色はとても嬉しくなって忍者と手を繋いで帰った。
極道が極道だと知ってしまう
壊左のカメラの解析を終えた色は、そこに映る男が昼間に会った優しそうな忍者の友達＝極道だと気づいてしまう。
極道こそが我ら忍者の仇敵！忍者様が危ない！
しかし帝都高で悪事を始めた極道達との闘いを控えた今、忍者の心を乱すわけにはいかないと考え伝えることができなかった。
この事実を知れば忍者の笑顔は永遠に奪われるかもしれない…。
しかし極道に奪われるくらいなら自分が奪うと覚悟を決め、色はこの闘いを終えた後に誰よりも先に忍者に真実を伝えようと決める。
ガムテと対峙
帝都高全域で暴走する極道(聖華天)に対し、忍者達は5人で各所の対応に赴いた。
色は堀切に舞い降り、近辺の聖華天を炎上する帝都高の中で眠らせる。
しかしどんな状況でも2晩は目を覚まさない『睡掌髑路』から、なぜか起き上がってきた者がいた。
それは以前（第二章燃える仁義のカブチカ）忍者が闘ったガムテという少年であり、眠っては起き、さらには色の技を喰らわないために呼吸器と粘膜をガムテープで塞ぐと言う彼の奇行に色は戸惑う。
ガムテの『疒』を喰らってしまう
戸惑いつつも努めて冷静にガムテと対峙していた色だが、冷静に視野を広げていたからこそ約1㎞先に極道の姿を見てしまった！
動揺した色は隙を作ってしまい、ガムテの極道技巧『疒』を受けてしまう。
すると色は末期の重病患者のような症状となり戦闘不能に陥ってしまい、そのままガムテにめった刺しにされてしまった…。
奥の手で打倒・極道を目指す
色の生命は残り僅かとなってしまった。
それでも色は忍者に知られる前に必ず極道を消さねばならないと、最後の力を振り絞る。
色は生命と引き換えに相手を即死させる“香”を極道に届かせるべく、地面を這いながら近づいて行った。
すると極道は色の異様な執念を感じ無意識に後退。
そして怯えるガムテに促され、あと5㎝…色の香が届く寸前のところでこの場から退いてしまった。
色の最期
色は目が霞んで濁った世界を見ながら、死は二度と御免だと思った。
そしてもう唇を動かすことすら出来ない中、私情にかられ最悪の事態になってしまった自分の不甲斐なさに自嘲し、涙ながらに自身の“諦め”の人生を振り返る。
最期に思い出すのはやはり忍者のこと。
すると、駆けつけた忍者が色を抱き上げていた。
そして忍者は色にキスをし、色の貫いた生き様に憧れ、惚れていたと言った。
色の諦め続けた人生の最期に最高の幸せが訪れた。
先ほどは濁って見えた世界だが、忍者越しに見える景色はとても綺麗で、死ぬことがこんなに幸せなら何度だって死ねると色は思った。
色が残したヒント
色がガムテの短刀を必死に奪ったおかげで、忍者達は毒と思われた色の死因＝ガムテの技の正体を知ることができた。
これがのちの総理官邸の闘いにおいて大きな力となる。
まとめ
病田色は“帝都八忍”の1人で、最初に極道が極道であることに気づいた人物。
はじめのうちはとにかく綺麗なビジュアルで、秘書的仕事もこなしながら趣味に生きる有能で充実した御姉様という印象であったかと思う。
しかし読み進めていくうちに彼女の“諦め”の人生と、それを前向きに受け止めながらいかに精一杯楽しく生きているかを知り、彼女の強さを知る。
その強い生き様は、忍者が色に気持ちを打ち明けた(36話)ほかにも、左虎も「美しい」と感じていたり（番外編）、右龍が花を贈ったり(101話)と、誰もが惚れる美しさである。
是非強く美しい病田色に注目して欲しい。
転勤で全国を渡り歩く流浪のマンガ好き。
現在は北海道在住で金カム等の聖地巡礼を満喫中。
自分用のメモを発展させブログにした形でして、端的にまとめるためにあえて感情を省いた文章にしています。
基本的には自分が好きな漫画だけになりますが、作品を知りたい・内容をおさらいしたい・より漫画を楽しみたい等のお役に立てればと思っています。